2016年12月23日金曜日

カエデの森(三重県津市)



所在地:三重県津市白山町真見59-2


Googleで「磐座 三重」と打つと、トップページが上の画像のようになります。最近になって気づきました。

「カエデの森・磐座遺跡」
なんだろうここは。
三重県在住で磐座歴15年ですが、このような場所は初めて聞きました。

おそらく、この表示はGoogleMapで地点登録されたことによるもの。

この地点登録の手続きや基準を私は知りませんが、私がどうあがいても到達できない検索1ページ目をやすやすと叶えてしまうのだから、なんとも虚無感があります。

ということで、さっそく先日現地を見に行ってきました。三重県民として。




カエデの森

最寄駅は名松線の家城駅。
雲出川の西岸にこんもりとした小丘があり、これがカエデの森と呼ばれているのでしょう(上写真中央の森)

カエデの森

このカエデの森の上に、夢窓庵(むそうあん)という日本料理店があります。
完全予約制のお店で、気軽に入れる感じではないお店です。
カエデの森、そしてその中にある「磐座遺跡」は、おそらくこのお店のオーナーが所有している土地なのでしょう。

「磐座遺跡」は丘の頂上にあるようなので、お店の邪魔にならないように見学ができないかと思ったのですが、磐座遺跡に取りつく道が見当たらない。
丘の麓をぐるりと回ってみたのですが、さてはこの遺跡、お店に入って庭の奥にあるパターンか。

カエデの森

私有地内の「磐座」ということになります。
極めて残念なことに、当日は予約がなかったのかお店は閉まっており、中に人の気配はなし。
(私が伺ったのは日曜日ですが、定休日は水曜だそうです)

現地まで来ていたので、あきらめきれずお店に電話を入れてみましたが出られず。
留守電メッセージで、女将さんの携帯番号への誘導案内がありましたが、さすがにお店にいない方をお呼び出しする迷惑をかけたくはないのでここで断念。

カエデの森

カエデの森

丘の端々からは、岩盤が露出している様子を観察できるので、確かに丘の上にも露岩があるのでしょう。

検索したところ、下記のページに出会いました。
「白山道しるべの会」http://hakusan-guide.com/areas/ieki
(2016年12月23日アクセス)

ページ内に、カエデの森の説明がありました。

リンク先消滅の場合があるための措置(http://hakusan-guide.com/areas/ieki

放置されていた山林に、オーナーが15年前からカエデ500本を植林した新しい名所のようです。
「磐座」の説明が併せて載っています。
いわく「太陽信仰のため配置した磐座と思われます」「巨石割れ目は、正確に南北を指しています」とのことです。

この世界では、南北を指していたら方位石となり、30度ずれていたら夏至の日射角といったところで、よく言われる話です。
このあたりは現場を見ていないので真偽未確認ですが、太陽神信仰と言い切れるのはどうしてか、磐座と呼んだのは誰か、「思われます」は誰が思っているのか、いろいろと不明点があります。

この説明を読む限りでは、文化財に認定されているようではなく、遺物の伴出もないようなので、少なくとも埋蔵文化財としての「遺跡」とは言えません。

経験的には、新しく「発見」され、新たに呼ばれるようになった「磐座」だと推測します。

「磐座」と呼びたいなら歴史資料の裏付けが必要で、「遺跡」と呼びたいなら遺物の発見が必要です。
見た目と現代人の発想で決めるのは早計だと思います。

他意はなくても、一度付けた名前は一人歩きして、ここにまた現代人が創った「磐座遺跡」が生まれたわけです。
私がかつて5年前、自著で警鐘を鳴らしたことが、今2016年も繰り返されていることに、内心暗澹たる思いです。
さらに、本例の場合はGoogleを通じてこの一人歩きが加速していきそうです。

私はここを「磐座遺跡」とは呼びたくない、とだけ書かせていただきます。
根拠が揃っていない状況で、認定することは避けなければいけないからです。
それだけ、歴史の取り扱いには慎重であってほしいと願うものです。

あと、せめてGoogleMapに地点登録されるのなら、自由見学できる場所であればいいのですが・・・完全予約制だから、その場でご飯をいただいた上で見学させていただくこともできないし・・・。
ということで、後発でここの存在を知り、現地を見学したいと思っておられる皆さんはご注意ください。事前予約なしで見ることはできません。

カエデの森

それにしても目を奪われたのは、カエデの森の隣に流れる雲出川のこの奇岩ぶりです。
すぐ近くには甌穴もあるようで、正直、こちらの方が収穫でした。

個人的に、カエデの森は2つの川の合流点にあり、山の麓という地理的環境でもあるので、磐座祭祀としては好立地にあるということは、客観的に申し添えることができます。

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